去年の7月は金沢でどじょうを食べた( 第368号 金沢のどじょう の巻 )。7月と決めているわけではないのだが、今年も7月にどじょうを食べた。
去年はかば焼きだったが、今年はかっぱ橋本通りの飯田屋で鍋を食べた。休日の昼に予約もしないで行ったのだが、20分ほど待って席に着くことができたのはいいほうだろう。
まずはどぜう鍋を注文する。ほ
ねぬき鍋もあってどぜう鍋はまるごとどじょうだ。機会があればほねぬきも食べてみたい。
どぜう鍋はよく注文が入るからだろう、ガスコンロがセットされてほどなくやってくる。どうやって食すのかちょっと戸惑うが仲居さんが丁寧に教えてくれる。
ネギがてんこ盛りでどぜうが見えないが、画像右下の内側がステンレスの木の箱にたんまり入っていたので全部入れてしまったのだ。ぐずぐす煮えたらもう食べ頃だ。熱いものをはふはふと食べるのも暑い日にはいい。やわらかい。独特の滋味があるのがいい。山椒も七味もどちらもおいしい。七味はやげん堀のものだ。
合わせて注文したどぜう唐揚げがやってきた。ごぼうはささがきにするとよく言う。「笹掻き」と書くのだろうから、笹の葉の形にするのが基本なのだろう。それよりも細く長く切るのもささがきと言うのだろ
うか。細長いごぼうが揚げてあるごぼう上にどぜうがのっている。蒸し暑い日だったので生ビールが進む。
『「懐かしの昭和」を食べ歩く』森まゆみ著を読んでいるとかっぱ橋本通りは「その昔、東叡山寛永寺と金龍山浅草寺を結ぶメインストリートだった」とあり、なるほどと思う。飯田屋は慶応年間に茶店を開くところから始まったらしい。永井荷風が来たときの写真も載っている(p.23)。
読んでいて興味深い箇所があった。飯田家は祖父以来三代続けて町会の祭礼部長をつとめていて三社祭には血が騒ぎ、また上野浄土真宗の寺では檀家総代をつとめているが、実はカトリックだという。「たまたま叔母がカトリックの信者と
結婚することになったとき、祖母のはなさんが、『肩身が狭くちゃかわいそうだ』とさっさと改宗してしまった」そうだ。江戸っ子の気っ風の良さというのはこういうものなのだろうか。「宗教が変わったって人は変わるめぇ」なんていう台詞が聞こえてきそうだ。
うなぎは高いがどじょうは食べられるところは少ない。来年の7月も食べたい。いや冬にも日本酒で食べてみたい。冬になるとのれんは紺になるそうだ。
帰り道、かっぱ橋の道具街をひやかしながら歩いていると「失礼ですが……」と後ろから追いかけてきた若者に声をかけられた。10年ぶりの再会になるが、縁あって現在かっぱ橋のお店で働いているという。学んだ中国語を生かして接客しているそうで楽しそうに話してくれた。元気にがんばっている様子に元気をもらった。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第368号 金沢のどじょう の巻
2025年08月02日
『カラー版「懐かしの昭和」を食べ歩く』 森まゆみ著 PHP新書510
二〇〇八年三月二十八日 第一版第一刷 定価:本体950円(税別)
去年はかば焼きだったが、今年はかっぱ橋本通りの飯田屋で鍋を食べた。休日の昼に予約もしないで行ったのだが、20分ほど待って席に着くことができたのはいいほうだろう。
まずはどぜう鍋を注文する。ほ
ねぬき鍋もあってどぜう鍋はまるごとどじょうだ。機会があればほねぬきも食べてみたい。どぜう鍋はよく注文が入るからだろう、ガスコンロがセットされてほどなくやってくる。どうやって食すのかちょっと戸惑うが仲居さんが丁寧に教えてくれる。
ネギがてんこ盛りでどぜうが見えないが、画像右下の内側がステンレスの木の箱にたんまり入っていたので全部入れてしまったのだ。ぐずぐす煮えたらもう食べ頃だ。熱いものをはふはふと食べるのも暑い日にはいい。やわらかい。独特の滋味があるのがいい。山椒も七味もどちらもおいしい。七味はやげん堀のものだ。
合わせて注文したどぜう唐揚げがやってきた。ごぼうはささがきにするとよく言う。「笹掻き」と書くのだろうから、笹の葉の形にするのが基本なのだろう。それよりも細く長く切るのもささがきと言うのだろ
うか。細長いごぼうが揚げてあるごぼう上にどぜうがのっている。蒸し暑い日だったので生ビールが進む。『「懐かしの昭和」を食べ歩く』森まゆみ著を読んでいるとかっぱ橋本通りは「その昔、東叡山寛永寺と金龍山浅草寺を結ぶメインストリートだった」とあり、なるほどと思う。飯田屋は慶応年間に茶店を開くところから始まったらしい。永井荷風が来たときの写真も載っている(p.23)。
読んでいて興味深い箇所があった。飯田家は祖父以来三代続けて町会の祭礼部長をつとめていて三社祭には血が騒ぎ、また上野浄土真宗の寺では檀家総代をつとめているが、実はカトリックだという。「たまたま叔母がカトリックの信者と
結婚することになったとき、祖母のはなさんが、『肩身が狭くちゃかわいそうだ』とさっさと改宗してしまった」そうだ。江戸っ子の気っ風の良さというのはこういうものなのだろうか。「宗教が変わったって人は変わるめぇ」なんていう台詞が聞こえてきそうだ。うなぎは高いがどじょうは食べられるところは少ない。来年の7月も食べたい。いや冬にも日本酒で食べてみたい。冬になるとのれんは紺になるそうだ。
帰り道、かっぱ橋の道具街をひやかしながら歩いていると「失礼ですが……」と後ろから追いかけてきた若者に声をかけられた。10年ぶりの再会になるが、縁あって現在かっぱ橋のお店で働いているという。学んだ中国語を生かして接客しているそうで楽しそうに話してくれた。元気にがんばっている様子に元気をもらった。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第368号 金沢のどじょう の巻
2025年08月02日
『カラー版「懐かしの昭和」を食べ歩く』 森まゆみ著 PHP新書510
二〇〇八年三月二十八日 第一版第一刷 定価:本体950円(税別)
コメント