たいしたことではないのだが、「確かあの本に書いてあったんだよな、ちょっと確認したいな」と思ったが、その本は実家にある。いや、探しても見つからないかもしれない。で、近くの図書館で借りた。
読み始めたが見当たらない。どうやらこの本に書いてあったのではないらしいと思いながら、とうとう最後まで読んでしまった。千野栄一著『外国語上達法』である。40年前に書かれた新書だが全く古びていないし、むしろ今の若い人に読んでほしいく
らいだ。
「私は語学が苦手である。」という一文から始まる。
千野氏は「英・独・ロシア・チェコ・スロバキアの五つの言語には翻訳されて活字になったものがあるし外交官の語学養成機関である外務研修所で教えたことのある言語も。ロシア・チェコ・セルビア・ブルガリアの四つがあり、このほか大学では古代スラブ語を教えている。さらに辞書を引きながら自分の専攻の分野の本を読むのなら、フランス語・ポーランド語とそのレパートリーは広がっていく。それに国際会議の場での通訳の経験もかなりあるし、ほんの数回だが同時通訳の経験もある」、それでも「本当に語学が不得意なのである」と言うのは、まわりにすごい友人や「絶望的におできになる先生」がいたからだ。中でもS先生のエピソードはすごい。これだけでも読んでいい。
章立てがいい。「はじめに」のあとにまず来るのが「目的と目標」だ。「なぜ学ぶ」とゴールを自覚することが大事だ。次が「必要なもの」。語学の上達に必要なものは先のS先生によれば、「時間とお金」だそうだ。「覚えなければいけないのは、たったの二つ。語彙と文法」。そして「次のものが揃っていることが望ましい。その第一はいい教科書であり、第二はいい教師で、第三はいい辞書」と明快に答える話が出てくる。
そして語彙・文法・学習書・教師・辞書・発音・会話・と章が続くのだが、最後の「まとめ」の前に「レアリア」がある。今でこそレアリアという言葉は言語教育の場では広く知られ、その言葉を使う社会でその言葉を使う人のために使っている表現を学ぶため必要だと言われている。この本では、「生教材」のような意味ではなく、「チェコ語に『レアーリア』(reálie )という語がありで、『ある時期の生活や文芸作品など に特徴的な細かい事実や具体的なデータ』という辞書の定義を記し、「要するに、日頃から学習している外国語の背景を知るようにその外国語を支えている文化の基盤について学ばなければならないということで、『会話の上達法に必要なものは?』という問いに『内容』という答が出て来たのと同じ発想である。」と言う。
なんだかたくさん引用してしまったが、下手なハウツー本を読むより図書館に行ってこの本を読むほうがいいと思う。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
『外国語上達法』 千野栄一著 岩波新書(黄版)329
1986年1月20日 第 1 刷発行 定価550円(本体534円)
1991年9月15日 第15刷発行
読み始めたが見当たらない。どうやらこの本に書いてあったのではないらしいと思いながら、とうとう最後まで読んでしまった。千野栄一著『外国語上達法』である。40年前に書かれた新書だが全く古びていないし、むしろ今の若い人に読んでほしいく
らいだ。「私は語学が苦手である。」という一文から始まる。
千野氏は「英・独・ロシア・チェコ・スロバキアの五つの言語には翻訳されて活字になったものがあるし外交官の語学養成機関である外務研修所で教えたことのある言語も。ロシア・チェコ・セルビア・ブルガリアの四つがあり、このほか大学では古代スラブ語を教えている。さらに辞書を引きながら自分の専攻の分野の本を読むのなら、フランス語・ポーランド語とそのレパートリーは広がっていく。それに国際会議の場での通訳の経験もかなりあるし、ほんの数回だが同時通訳の経験もある」、それでも「本当に語学が不得意なのである」と言うのは、まわりにすごい友人や「絶望的におできになる先生」がいたからだ。中でもS先生のエピソードはすごい。これだけでも読んでいい。
章立てがいい。「はじめに」のあとにまず来るのが「目的と目標」だ。「なぜ学ぶ」とゴールを自覚することが大事だ。次が「必要なもの」。語学の上達に必要なものは先のS先生によれば、「時間とお金」だそうだ。「覚えなければいけないのは、たったの二つ。語彙と文法」。そして「次のものが揃っていることが望ましい。その第一はいい教科書であり、第二はいい教師で、第三はいい辞書」と明快に答える話が出てくる。
そして語彙・文法・学習書・教師・辞書・発音・会話・と章が続くのだが、最後の「まとめ」の前に「レアリア」がある。今でこそレアリアという言葉は言語教育の場では広く知られ、その言葉を使う社会でその言葉を使う人のために使っている表現を学ぶため必要だと言われている。この本では、「生教材」のような意味ではなく、「チェコ語に『レアーリア』(reálie )という語がありで、『ある時期の生活や文芸作品など に特徴的な細かい事実や具体的なデータ』という辞書の定義を記し、「要するに、日頃から学習している外国語の背景を知るようにその外国語を支えている文化の基盤について学ばなければならないということで、『会話の上達法に必要なものは?』という問いに『内容』という答が出て来たのと同じ発想である。」と言う。
なんだかたくさん引用してしまったが、下手なハウツー本を読むより図書館に行ってこの本を読むほうがいいと思う。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
『外国語上達法』 千野栄一著 岩波新書(黄版)329
1986年1月20日 第 1 刷発行 定価550円(本体534円)
1991年9月15日 第15刷発行

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