金田一秀穂氏の講演を一度聞いたことがある。職場の勤続〇〇年目のものは全員が受ける研修の中のひとつで、所属や分野にかかわらず全員が集まって聞く全体会での講演だった。そんな集まりなので自分のようにいやいや来ている人もいるわけで、いろいろな人たちを前にして話すのはお気の毒だと思ったが、テレビのイメージと変わらず乗りまくって話していた。さすがである。講演でお金を取れるというのはこういうことか。2026.06.12金田一先生のことば学入門
 エッセイ集みたいなものだが初めて氏の著作を読んだ。テレビでは言葉の蘊蓄を話す人として出されているのでいうイメージが強いが、シニフィアン、シニフィエなんて出てきて専門は意味論だったと知った。お若いと思っていたら調べると73歳になられる。
 各章のタイトルも小見出しもみな「~~の言葉(コトバ)」になっている。単行本が「ことばのことばっかし」とタイトルだったからだ。おもしろい。なるほどと思う。「へえ」と思うようなことは言語学の学問としてみれば奥が深いものもあるのだと思う。別の本も探してみようかなとも思う。けれど自分が頭が悪いだけなのかもしれないが、しばらくすると忘れてしまう。そんな本であった。
 この本に出会ったのはその少し前に『16歳の教科書』を読んだからだ。副題に「なぜ学び、なにを学2026.05.1916歳の教科書ぶのか」とあるので若者とそんな話題になった時の何かヒントでもあるかと買ったのか、あるいは『ドラゴン桜』を読んでいた頃に興味を持って買ったか、そんなところだろう。
 国語数学理科英語社会の各科目の特別講師を呼んできて話をしてもらうという設定で、どう勉強するか、どんなことが大事か、受験を乗り越えるにはのような話が並んでいる。章の最後のページには講師への質問と講師のおすすめ著書が載っている。調べてみたらもう文庫になっていて「シリーズ累計75万部突破!!」とある。そんなに売れたのかという印象だ。
 その最初の章が金田一氏だった。そのページの二冊のオススメ本が二冊ともなくて手に取ったのが、上記の本だったというわけである。
 どちらも悪くはないのだが、なんとなくもっと読むべき本があったのではないかという気持ちになってしまった。
 床の上の本はなかなか減らない。

 ※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。

金田一先生のことば学入門 (中公文庫)
金田一 秀穂
中央公論新社
2016-09-21




『金田一先生のことば学入門』  金田一秀穂著 中公文庫 き44 1
2016年9月25日 初版発行  定価 本体620円+税

 本作品は『ことばのことばっかし』(二〇一〇年二月マガジンハウス刊)を改題し加筆したものです。

『16歳の教科書 なぜ学び、何を学ぶのか』ドラゴン桜公式副読本 【7人の特別講義プロジェクト&モーニング編集部】 講談社
2007年6月20日 第1刷発行   定価:本体780円(税別)