使っていたスマホは容量が64GBしかなく限界を迎えた。iPhoneでコスパのいい機種は在庫が薄いらしく今日ようやく届いた。だらしがない自分が悪いのだが、バックアップするのにドキドキしたり、復元するのにハラハラしたり、アプリを立ち上げるのにパスワードを打ってはダメを出されてヒヤヒヤしたりで半日はムダに過ごした気持ちだ。何だか自分がアルファベットと数字として扱われているようでうんざりしてきた。無駄に血圧が上がっているような気がする。
さて、2年と少し前に古本屋で『山と食欲と私』の14巻を100円で買った( 第281号 古本屋あんぎゃ2駒込 の巻 )。今16巻まで読んで止まっている。その後の巻は古本でもまだ高いからだ。別の本を目当てに古本屋に行ったときに、『山と食欲と私~エクストリーマーズ~』というのがあるのを見つけて買って帰った。
スピンオフ集なのかと思いきや、「複数の漫画
家によるアンソロジー企画」であった。エクストリーマーとは「極限挑戦者」のことで実在する登山家を監修者として、それぞれの漫画家が監修者に取材して漫画にし、それを監修者がチェックしたあとに調整してできあがった作品が6話入っている。みな実話だ。企画が「山食」の作者信濃川氏であるから「食」にスポットが当てられている。
一つ目は、宗谷岬から襟裳岬までの分水嶺670Kmを積雪期に単独で縦断した野村良太さんの話だ。こんなにきれいに続く分水嶺があったことも知らなかったが、それを雪の中一人で歩こうというのもよく考えつくなと思う。日本の中にもまだまだ達成されていないものがあるのかもしれない。
そして、高校卒業後山伏修行に入り5日間の吉野山大峰奥駈道修行をした女性、グリーンランド北極圏夜下を80日間単独行した人、南極で調理隊員として1年4ヶ月過ごした女性、ヨセミテの絶壁を7日間登りつづけた人、南アルプスの冬山で動物を獲りながら11日間登山した人などが登場する。6人の漫画家のタッチが違うのもおもしろい。
グリーンランドの単独行は一匹のウリミヤックという名の犬との旅だが、食べ物が手に入らなかったら最後はウリミヤックを喰うしかなくなってくる。犬がだんだん痩せてくるところがリアルだ。なんとかドッグフードのストックを見つけるが、それまでの生と死のぎりぎりのところにいる感覚は日常にいる私たちには想像できないだろう。
こんな極限まではいかなくても、人は自分が生きているということを実感したいのだと思う。小さなことでもいい、自転車で荒川を東京湾まで行ってみようとか、国道4号を全部自転車で走ってみようとか、そんなことでも生きていること、「やった感」が得られる気がする。アルファベットと数字の組み合わせじゃない血の通っている自分でいられる気がする。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第438号 神々の山嶺 の巻
2026年05月01日
第393号 岳人列伝 の巻
2025年11月27日
第350号 死に方は生き方か の巻
2025年04月01日
第281号 古本屋あんぎゃ2駒込 の巻
2024年03月11日
『山と食欲と私~エクストリーマーズ~』 信濃川日出雄企画 新潮社
2025年1月15日 初版 定価:本体820円(税別)
初出くらげバンチ2024年5月~11月
さて、2年と少し前に古本屋で『山と食欲と私』の14巻を100円で買った( 第281号 古本屋あんぎゃ2駒込 の巻 )。今16巻まで読んで止まっている。その後の巻は古本でもまだ高いからだ。別の本を目当てに古本屋に行ったときに、『山と食欲と私~エクストリーマーズ~』というのがあるのを見つけて買って帰った。
スピンオフ集なのかと思いきや、「複数の漫画
家によるアンソロジー企画」であった。エクストリーマーとは「極限挑戦者」のことで実在する登山家を監修者として、それぞれの漫画家が監修者に取材して漫画にし、それを監修者がチェックしたあとに調整してできあがった作品が6話入っている。みな実話だ。企画が「山食」の作者信濃川氏であるから「食」にスポットが当てられている。一つ目は、宗谷岬から襟裳岬までの分水嶺670Kmを積雪期に単独で縦断した野村良太さんの話だ。こんなにきれいに続く分水嶺があったことも知らなかったが、それを雪の中一人で歩こうというのもよく考えつくなと思う。日本の中にもまだまだ達成されていないものがあるのかもしれない。
そして、高校卒業後山伏修行に入り5日間の吉野山大峰奥駈道修行をした女性、グリーンランド北極圏夜下を80日間単独行した人、南極で調理隊員として1年4ヶ月過ごした女性、ヨセミテの絶壁を7日間登りつづけた人、南アルプスの冬山で動物を獲りながら11日間登山した人などが登場する。6人の漫画家のタッチが違うのもおもしろい。
グリーンランドの単独行は一匹のウリミヤックという名の犬との旅だが、食べ物が手に入らなかったら最後はウリミヤックを喰うしかなくなってくる。犬がだんだん痩せてくるところがリアルだ。なんとかドッグフードのストックを見つけるが、それまでの生と死のぎりぎりのところにいる感覚は日常にいる私たちには想像できないだろう。
こんな極限まではいかなくても、人は自分が生きているということを実感したいのだと思う。小さなことでもいい、自転車で荒川を東京湾まで行ってみようとか、国道4号を全部自転車で走ってみようとか、そんなことでも生きていること、「やった感」が得られる気がする。アルファベットと数字の組み合わせじゃない血の通っている自分でいられる気がする。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第438号 神々の山嶺 の巻
2026年05月01日
第393号 岳人列伝 の巻
2025年11月27日
第350号 死に方は生き方か の巻
2025年04月01日
第281号 古本屋あんぎゃ2駒込 の巻
2024年03月11日
『山と食欲と私~エクストリーマーズ~』 信濃川日出雄企画 新潮社
2025年1月15日 初版 定価:本体820円(税別)
初出くらげバンチ2024年5月~11月

コメント