『蒋介石の黄金』とはかなり直球のタイトルである。伴野朗の作品だ。
タイトルから想像されるように、日本敗戦後の中国大陸で国共内戦の中、蒋介石の金塊が台湾に運ばれる任務を軸に繰り広げられる活劇である。
1947年8月の東京新橋でアルコール中毒の男が酒を飲んでいるところから始まる。この男はもと日本軍特務機関員だったので劉亜明という中国名も持ってい
る。友情から命をかけていくことになるが、そこに国民党政府の工作機関である藍衣社(らんいしゃ)、中国マフィア青帮、馬賊(首領は日本人)、共産党の八路軍、アメリカの対華経済協力機関ECA、アメリカ航空義勇軍フライングタイガースの生き残り飛行機乗り、台湾独立運動「台湾の声」、が次々と絡んでくる。過去の恋愛や裏切り、個人の思惑などもあってわくわくしっぱなしだ。これはおもしろい。電車の中で読んでいて降りる駅を乗り過ごすところだった。
自分の損得勘定でもなく、また相手が手に負える相手かどうかでもなく、やらねばならぬと思ったことに力を尽くしていく。中国の上海や重慶を舞台にアクションシーンもあってしびれてしまう。ネタバレしてはいけないので書けないがタイトルの蒋介石の黄金が最後に別の意味を持ってくる。
この前に読んだ伴野朗の作品が『九頭の龍』だったため登場人物に双子が登場するのがかぶってしまって少しだけ興をそがれてしまったが★★★★★☆である。解説によると伴野ファンが「蒋介石三部作」と呼ぶシリーズの第一作とのことだ。まずい。本棚の本を減らすどころか増えてしまうではないか。
それはそれとして、1945年から1949年までの中国の様子を俯瞰的に描ている本を探したくなった。この時期のハイパーインフレはどう捉えられているのか。経済学からしっかり捉えてそれと内戦の動きや合衆国駐華統合軍事顧問団(JUSMAG)などとを関連付けているような本があったらおもしろいと思う。ご存じの方がいたら教えていただきたい。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第379号 九頭の龍 の巻
2025年09月20日
『蒋介石の黄金』 伴野朗著 徳間文庫 と2-13
この作品は1980年11月光文社より刊行されました。
1999年2月15日 初刷
1999年3月25日 2刷
誤植と思われる箇所
滝→俺
信天翁→信夫翁
タイトルから想像されるように、日本敗戦後の中国大陸で国共内戦の中、蒋介石の金塊が台湾に運ばれる任務を軸に繰り広げられる活劇である。
1947年8月の東京新橋でアルコール中毒の男が酒を飲んでいるところから始まる。この男はもと日本軍特務機関員だったので劉亜明という中国名も持ってい
る。友情から命をかけていくことになるが、そこに国民党政府の工作機関である藍衣社(らんいしゃ)、中国マフィア青帮、馬賊(首領は日本人)、共産党の八路軍、アメリカの対華経済協力機関ECA、アメリカ航空義勇軍フライングタイガースの生き残り飛行機乗り、台湾独立運動「台湾の声」、が次々と絡んでくる。過去の恋愛や裏切り、個人の思惑などもあってわくわくしっぱなしだ。これはおもしろい。電車の中で読んでいて降りる駅を乗り過ごすところだった。自分の損得勘定でもなく、また相手が手に負える相手かどうかでもなく、やらねばならぬと思ったことに力を尽くしていく。中国の上海や重慶を舞台にアクションシーンもあってしびれてしまう。ネタバレしてはいけないので書けないがタイトルの蒋介石の黄金が最後に別の意味を持ってくる。
この前に読んだ伴野朗の作品が『九頭の龍』だったため登場人物に双子が登場するのがかぶってしまって少しだけ興をそがれてしまったが★★★★★☆である。解説によると伴野ファンが「蒋介石三部作」と呼ぶシリーズの第一作とのことだ。まずい。本棚の本を減らすどころか増えてしまうではないか。
それはそれとして、1945年から1949年までの中国の様子を俯瞰的に描ている本を探したくなった。この時期のハイパーインフレはどう捉えられているのか。経済学からしっかり捉えてそれと内戦の動きや合衆国駐華統合軍事顧問団(JUSMAG)などとを関連付けているような本があったらおもしろいと思う。ご存じの方がいたら教えていただきたい。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
第379号 九頭の龍 の巻
2025年09月20日
『蒋介石の黄金』 伴野朗著 徳間文庫 と2-13
この作品は1980年11月光文社より刊行されました。
1999年2月15日 初刷
1999年3月25日 2刷
誤植と思われる箇所
滝→俺
信天翁→信夫翁

コメント