自転車に関することなら様々なものを紹介する投稿サイトがあった。自転車用品の有名メーカーの部品やオイルなどの消耗品、ウエアなどはもちろんライドのコース、また100均でも意外と便利で十分使えるものなどちょっとでも自転車にひっかかることならいろいろと投稿があった。
 何かと忙しくてライドに出かけられないときが続いていても、こういうサイトを覗いているとまた走りたいなという気になる。時折チェックしては楽しんでいたのだが、残念なことに何年か前になくなってしまった。この漫画もそのサイトで紹介されていたものだ。
 『競輪王ゼロ』全6巻山本康人著を少し前に読了。
 筋立て自体はよくあるパターンだ。2025.08.19競輪王ゼロ華々しい戦績を残した選手が恋人が亡くなり、それからは酒を飲んで低迷を続けている。そこからグランプリを目指すというものだ。
 立ち直っていく主人公レイジを支えるのが、恋人の残した娘ことり(父親は死別)である。小学生5年生だがIQ200という設定で、パソコンを持ち歩き、「ことりは競輪が好き。理論的に考えていけば答えが導き出せるから――」とつぶやく少女だ。埼玉の川越のはずれに住んでいて、父親(厳密には違うが)のレイジと各地の競輪場に行き作戦を立てたり練習メニューを考えたりする存在だ。レイジが獲った賞金を封筒のまま渡され生活費も管理している。
 自転車が好きだというと競輪のことを持ち出す人もいるが、競輪は行ったことも買ったこともない。多少は知っているが、今どんなタイトルホルダーがいるのかなど知らない。けれども、この漫画はとても楽しめる。ことり扮するキャラクターが解説するコマがあるし、女性新米記者と先輩記者との会話が読者に対する説明になっているので競輪がわかった気になってくる。一気に6巻読んでしまった。そして競輪場に行ってみたくなった。
 作者の山本康人の名前を見たときはわからなかったが、調べてみると『打撃天使ルリ』という作品を90年代に描いている。画風に少し見覚えがあるように感じた理由がわかった。競輪の自転車の描写は上手いのも当然でこの作品の前に『打鐘』というやはり競輪の長編を描いている。読みたくなったが手に入れにくいようだ。
 最後にことりのセリフを一つ。「もがかないと見えない光を光明って言うのよ」 
 
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。

競輪王ゼロ 1
山本康人
日本文芸社
2013-12-27


競輪王ゼロ①~⑥ 山本康人著 日本文芸社
①平成25年12月1日~⑥平成27年2月10日初版発行
①~④¥590+税  ⑤⑥¥619+税