松本竣介について書かれた本を続けて読んだことがあった( 第193号 第194号 第195号 )。その時に見つけて買っておいたのが、この本『早世の天才画家 日本近代洋画の十二人』である。
題名の通り、若くしてこの世を去った日本の画家たち12人について記されている。第一章の萬鉄五郎第四章の小出楢重は43歳で亡くなっている。それでも今なら早い死だが、村山槐多は22歳、関根正二は20歳で亡くなっている。もっと、いやもう少し長く生き
ていたならどんな作品を描いただろうと思わずにはいられない。
主に取り上げている12人の作品は1912年~1943年までのもの。12人の最後が松本竣介である。タイトルに「天才」という言葉が使われている。もとより天賦の才など何もないぐうたらな自分であるがこの言葉は安易に使いたくない。確かに「この環境でこんな表現をしたのか」と思わせる、元から授かった何かを感じさせる絵の資料写真もあって美術館に行って直に見てみたい気にさせられるものもあるのだが、ここに登場する画家たちからは絵に向かって何かと格闘していた中でほとばしりでた作品だと感じるのだ。
各章の扉にはそれぞれの画家の自画像ある。明治期に入ってきた油彩を日本人は技術的に磨き写実を極めようとした。大正期に入って自分が表現したいものは何かを必死に考えて生きた彼らのまなざしが見える。この本のページをめくって12人の画家の自画像を見ながら読めたのは良かった。
自分に読解力がないだけかもしれず、著者には大変申し訳ないが、文章は読みにくかった。加藤周一の後だったから余計そう感じたのかもしれない。レビューで「文学的」という言葉を使っている方がいたが、断定すべきところを曖昧な表現で文末を終わらせたり、推測的な流れで進んでいるところを急にバッサリ言い切ったりしているように感じられ、また一つの文が長いのか接続詞や助詞の使い方が不適切なのかつながりがわかりにくく、何度か読み返したり理解するのを諦めたりした。自戒したいと思う。
※ コメントは表示されないようになっていますが、書いていただければ私の方には届きます。
『早世の天才画家 日本近代洋画の十二人』酒井忠康著 中公新書1993
2009年4月25日発行 ¥940+税
第195号 竣介との対話 の巻
2023年06月18日
第194号 竣介の生きた時間 の巻
2023年06月12日
第193号 竣介のアトリエ の巻
2023年06月11日
題名の通り、若くしてこの世を去った日本の画家たち12人について記されている。第一章の萬鉄五郎第四章の小出楢重は43歳で亡くなっている。それでも今なら早い死だが、村山槐多は22歳、関根正二は20歳で亡くなっている。もっと、いやもう少し長く生き
ていたならどんな作品を描いただろうと思わずにはいられない。主に取り上げている12人の作品は1912年~1943年までのもの。12人の最後が松本竣介である。タイトルに「天才」という言葉が使われている。もとより天賦の才など何もないぐうたらな自分であるがこの言葉は安易に使いたくない。確かに「この環境でこんな表現をしたのか」と思わせる、元から授かった何かを感じさせる絵の資料写真もあって美術館に行って直に見てみたい気にさせられるものもあるのだが、ここに登場する画家たちからは絵に向かって何かと格闘していた中でほとばしりでた作品だと感じるのだ。
各章の扉にはそれぞれの画家の自画像ある。明治期に入ってきた油彩を日本人は技術的に磨き写実を極めようとした。大正期に入って自分が表現したいものは何かを必死に考えて生きた彼らのまなざしが見える。この本のページをめくって12人の画家の自画像を見ながら読めたのは良かった。
自分に読解力がないだけかもしれず、著者には大変申し訳ないが、文章は読みにくかった。加藤周一の後だったから余計そう感じたのかもしれない。レビューで「文学的」という言葉を使っている方がいたが、断定すべきところを曖昧な表現で文末を終わらせたり、推測的な流れで進んでいるところを急にバッサリ言い切ったりしているように感じられ、また一つの文が長いのか接続詞や助詞の使い方が不適切なのかつながりがわかりにくく、何度か読み返したり理解するのを諦めたりした。自戒したいと思う。
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『早世の天才画家 日本近代洋画の十二人』酒井忠康著 中公新書1993
2009年4月25日発行 ¥940+税
第195号 竣介との対話 の巻
2023年06月18日
第194号 竣介の生きた時間 の巻
2023年06月12日
第193号 竣介のアトリエ の巻
2023年06月11日

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