今月2月の初めに雪山のトレッキングに行った。と言うか、同行させてもらったようなものである。
 行き先は入笠山である。「にゅうかさやま」と読む。1955mではあるが、近くまでゴンドラリフトに乗るので雪がなければきつくはない。今は雪山である。2025.02.02入笠山山頂トレッキングシューズだけでは無理だ。軽アイゼンをつけて雪山を体験するにはちょうどいいコースかもしれない。スノーシューを付けている人もいた。雪は小降りになることはあるもののずっと降っている。ところどころ足がずぼっと埋まり、それなりに体力を使いやや汗ばむ。
 1時間ほどで山頂に到着。晴れていれば景色がすばらしいらしいが、遠くはまったく見えない。ここで昼食となったが、動かないと冷えてくる。
 せっかくアルコールストーブを持ってきたので使うことにした。雪で真っ白なのでアルコールの炎が見えない。火が着いているかわからない。手をかざすと温かいので着いているようだ。なかなか沸かない。まだかまだかと思いながら見ていると下の雪が溶けてきた。周りの雪を溶かすのに熱が使われてしまっているようだ。
 昼食休憩は30分。後片付けを考えるとコーヒーをドリップしている余裕はない。諦めた。あと10分くらいしたら沸いたのだろうか。ケトルの水を手にかけるとお風呂くらいの温かさだ。かじかんだ手を温めるのにはちょう2025.02.02入笠山アルコールストーブど良い。手が温かくなったので荷物をまとめるのが楽になった。出発だ。
 それほど高低差のある行程ではないが、帰りは滑るように下りるので早い。
 山頂に向かうときも気になったのだが、周囲の樹木の枝にとろろ昆布のようなものが垂れ下がっている。あちらこちらでたくさん見かける。
 同行していた生物に詳しい方に聞くとサルオガセだという。地衣類の一種ということだ。地衣類というと大きな木の幹にへばりついているものを想像するので、「こんな地衣類もいるんだ」という驚きであった。帰宅後調べたら漢字は「猿尾枷」、「猿麻桛」と書く。ヨコワサルオガセとか、〇〇サルオガセというのが日本だけで40種類確認されていて世界では600種類もあるそうだが、ぶら下がっているとろろ昆布にそれほど違いがあるようには思えない。
 「えっ?」と思ったのは、ヨコワサル2025.02.02入笠山サルオガセオガセはリトマス試験紙の原料となるという記述だ。リトマス試験紙を検索すると、ヨコワサルオガセは出ておらず、「リトマスゴケやウメノキゴケなどの種々の地衣類から紫色の液体リトマスを抽出し(Wikipedia)」とある。ということは、リトマス試験紙をなぜリトマス試験紙というかというとリトマスゴケで作っていたからということなのか。さらに読むと「日本ではリトマスゴケが採れないため、代用としてこのウメノキゴケを使っていた」とある。ウメノキゴケというのは地衣類らしい存在のしかたをしている、よく見かけるものである。こいつがそんな使われ方をされていたとは知らなかった。
 帰ってからリトマス試験紙に思いをはせることになった雪山トレッキングであった。 

 第338号 三座を制す の巻  
 2024年12月30日
 第183号 大文字の火床 の巻  
 2023年05月07日  
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