少し前になるが、手塚治虫の『アポロの歌』を読了。
 19702025.02.09『アポロの歌』1年の作品である。『週刊少年キング』に4月~11月に連載されたという。『週刊少年キング』といえば、週間少年ジャンプ、週刊少年マガジン、週刊少年サンデー、週刊少年チャンピオンと並ぶ五大週刊漫画雑誌だったが、私が漫画雑誌に興味を持った頃にはキングは人気がなかったように思う。今となっては紙の雑誌そのものが存続の危機だ。
 手塚作品は全部読みたいと思っている。というか、全部読まなきゃという気持ちに近い。
 この作品は性と愛をテーマにしたものだが、時空を超えて、ヒトが文明の中で生物としての性を抱えながら愛のために喜びを感じ愛のために苦しむ有り様を描こうとしているように感じた。『火の鳥』にもつながりを感じる壮大さがある。手塚作品だから当たり前だが性で目を引こうとしたものなどではなく、真っ正面から大きなテーマに挑んだ感がある。こういう作品は現在の少年誌にはないのではないか。
 70年に神奈川県で有害図書に指定されたという。「有害図書」と聞くと青少年に見せたくないような性描写を想像する。どの部分を「有害」と捉えたのかわからないが、性的な描写は作品2025.02.09『アポロの歌』2テーマに沿ったもので現在から見れば何ということはない。むしろ精神的な疾患の描き方や台詞の表現は昭和40年代は許されても現在なら出せないのではないか思うものもあった。
 この2巻を読み終わって作品について検索したら、びっくりした。実写化されているではないか。18日の深夜というか19日の0時過ぎか。間に合って良かった。というか、自分にとってはすごい偶然だ。シンクロニシティを感じた。
 ドラマは、「壮大なSF青春ストーリー「アポロの歌」を現代解釈し、……実写ドラマ化」とある。楽しみだ。
 小説にしろ漫画にせよ映像作品がある場合は、それを見てから「キャストが合ってない」とか「まとめ方が悪い」とかケチを付けることが多いが、今回は放映前に書いたら放映を見て興味を持ち原作を読みたくなる方もいるかもしれないと思ったわけである。
 今回読んだのは『手塚治虫名作集』の15巻と16巻で、16巻には『原人イシの物語』という作品も入っている。こういう短編作品の中にも手塚らしい作品がある。どこかで読んだ気がしたが、この作品に出会えたのも嬉しかった。

アポロの歌 1
手塚治虫
手塚プロダクション
2014-04-25



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