『バベル九朔』万城目学著読了。万城目学の主な作品で言うと、
『鴨川ホルモー』(2006年4月)
『鹿男あをによし』(2007年4月)
『ホルモー六景』(2007年11月)
『プリンセス・トヨトミ』(2009年4月 文藝春秋)
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』(2010年1月 ちくまプリマー新書)
『偉大なる、しゅららぼん』(2011年4月 集英社)
『とっぴんぱらりの風太郎』(2013年9月 文藝春秋)
『悟浄出立』(2014年7月 新潮社)
の次になる作品で、2016年3月に出版されている。ざっとデビュー作から10年が経ち9作目、ついでに言うと76年生まれの作者が40歳の時の出版だ2024.08.01バベル九朔
 私は、前述のリストで言うと『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』と『悟浄出立』は未読だが、この作品を読み始めてそれまでの作風と違うなと感じた。何となく森見登美彦に近い感じだ。万城目氏は大学を卒業した後会社員になるが、26歳の時に退社して投稿する生活をしている。この作品はそのことから自伝的な作品と言われる。
 読み終わって、爽快感がなかった。荒唐無稽さも京都や奈良、大阪を舞台にした作品はどこか「こんなことがあってもいいかも」と思わせるが、この作品は今ひとつだ。
 作者自身が「何通りも読み方があって、掴んだと思うとするりと逃げていくような話です」(週刊文春 2016.04.28号掲載) と言っていて、簡単に解釈されることを避けたのかもしれない。ちなみにこのインタビュー記事から、『レ・ミゼラブル』の『夢やぶれて』の元の詞は dreams were made and used and wasted.だと知った。 
 映像化されたものがあると知り、見てしまった。2020年に日本テレビの深夜枠でやっていた。レンタル屋にもないので、huluで見た。全10回。
 管理人室に住むことになったのは、脚本家を目指している主人公と映画監督志望のその友人という設定も違うし、ビルの住人も少し違っている。それぞれ、Sexy ZoneとSixTONESに所属するジャニーズの2人が演じている。どちらがどちらに所属しているのか私にはよくわからないが、レビューで原作本の評価は万城目氏としては低いのに、DVDの評価が高いのはこのキャスティングだからかと思ってしまった。
 ジャニーズの2人はバラエティでしか見たことがなかったが、演技が意外と(失礼)良いように思えた。もっとも、数話見た後になると独白のシーンの表情などが単調に思えたが。
 映像作品については、深夜の30分枠で正味23分を10話でまとめるとこういう形になるのかな、というのが率直な感想だ。1話目を見たときは「原作以上にわけわからんぞ」と思ったが、回を追うごとに原作よりも、物語をシンプルにして見ている人にわかりやすくしていると思う。ドラマを楽しむという点ではこれはこれでありかもしれない。それでも「よくわからない」と思う人はいると思うが。

小説 ★★★☆☆
 (「読書メーター」を見たら、単行本読んで文庫を読んでまた単行本を読んで、3度読んだけどよくわからないという人がいた。)

バベル九朔 (角川文庫)
万城目 学
KADOKAWA
2019-02-23


バベル九朔 DVD BOX (DVD)
上地雄輔
ジェイ・ストーム
2021-04-28


『バベル九朔』万城目学著 角川文庫 ま 28-4
平成31年 2月25日 初版発行  ¥680円+税
本書は二〇一六年三月に小社より刊行された単行本を大幅に加筆修正し文庫化したものです。

 第292号 『偉大なる、しゅららぼん』 の巻  
 2024年04月29日
 第275号 古本屋あんぎゃ1南浦和 の巻
 2024年02月21日
   第262号 『とっぴんばらりの風太郎』 の巻    
   2023年12月29日   
 第216号 『プリンセス・トヨトミ』 の巻 
 2023年08月14日 
   第99号 『鹿男あをによし』 の巻  
   2022年08月31日
   第106号 ホルモオオオォォォーッ の巻
 2022年09月26日