第284号( 第284号 揚げるところからの皿うどん の巻 )で日本橋の県アンテナショップ長崎館ら寄ったことを書いたが、実はここで「じてんしゃ飯」なる2024.03.30じてんしゃ飯の素おもてものを買っていた。
 「じてんしゃ」に目が留まったのもあるが、なんだか素朴なパッケージがいい。思わず手に取った。正確に言うと「じてんしゃ飯の素」である。
 パッケージの裏を見る。どうやら炊き込みご飯の素のようだ。「ハヤイ・カンタン・カラダニイイ」とあり、値段は421円(税込み)。
 帰宅してじっくり見ると、「雲仙市の郷土食」で、「醤油と常備のにぼしを入れる炊き込みご飯……長崎県橘湾の新鮮なカタクチイワシを原料としたにぼしと、九州で作られたニンジン・ゴボウ・シイタケを乾燥させた具材をあわせ、かんたんに「じてんしゃ飯」を再現できる素をつくりました。素朴だけど、噛めば噛むほど旨味が広がります。」とあり、原材料は。いりこ、ごぼう、にんじん、しいたけだけだ。
 しかしなぜ「じてんしゃ」なのだろう。サイクリストは食事には気を遣う。楽に漕いでいるようでも、体の7割近くを占める下半身はもちろん、広背筋や腹筋など全身の筋力を使うので知らないうちにエネルギ2024.03.30じてんしゃ飯うらーを消費していて、ハンガーノックになってしまうことがある。ハンガーノックは体のエネルギーがすっからかんになってしまうことをいう。よって、水分と同時に、意識的に糖分などを摂るようにしている人が多い。
 こんな発想から地元の食材と組み合わせて商品化しているのかと思ったら、作り方の裏面にさらに由来が書かれていた。
 「昭和2年毎日新聞社主催の日本新八景国民投票で、雲仙岳が一位となりました。これを記念して、同年7月3日、長崎新聞社が島原半島一周自転車競走大会を主催。
このとき、2位と大差をつけて見事優勝したのが、地元南串山町出身の中村昇選手。応援のため沿道には多くの人がかけつけました。
そこで、取るものも取りあえず作って振る舞われたのが醤油メシ(しょいめし:いりこと醤油の炊き込みご飯)。
じてんしゃんごて はよたくる しょいめし
(自転車のようにはやく炊ける醤油飯)
それ以来「醤油飯」は「じてんしゃ飯」と呼ばれ、郷土2024.03.30じてんしゃ飯茶わん料理として愛され続けています。」ということだった。
 お昼ご飯に家人に作ってもらって食べた。美味しい。雲仙岳に行ってみたくなった。
 ちなみに、文中の「日本新八景」を調べてみると、投票で絞ったあと、八つの部門をそれぞれ当時の著名な文士が以下のように選んだ。
海岸:室戸岬(高知県) - 田山花袋
湖沼:十和田湖(青森県・秋田県) - 泉鏡花
山岳:温泉岳(雲仙岳)(長崎県) - 菊池幽芳
河川:木曽川(愛知県) - 北原白秋
渓谷:上高地(長野県) - 吉田絃二郎
瀑布:華厳滝(栃木県) - 幸田露伴
温泉:別府温泉(大分県) - 高浜虚子
平原:狩勝峠(北海道) - 河東碧梧桐
 昭和2年という時代を感じさせる審査員たちである。このころ、一般の人も旅行というものを身近にかんじるようなったのだろう。この選定は「広く国民の関心を集め、投票総数は当時の日本の総人口の1.5倍にもなる約9,300万通に及んだ」という。これはすごいことだ。
 令和6年に生きる自分はこの八景の中で行っていないところの方が多い。
 じっとしていられない。

 第284号 揚げるところからの皿うどん の巻  
 2024年03月24日