前号の続き。駅前からJRバスに乗る。降車する停留場は「航空科学博物館」。テレビでバス旅の番組を見ていると、たまにはパスもいいもんだななんて思うが、運賃は540円で時間も掛かったので車の方がよかったかと思ってしまった。しかし、バスが大事な交通手段の方もいるのだ。やはり乗ってみるのも悪くあるまい。
 航空科学博物館で降りるが目的地はそこではない。航空博物館は人がかなりいて人気のようだ。入場料は700円かかるから入らないのではなく、今回は特に「これが見たい」という予備情報もないので通り過ぎる。画像は航空科学博物館の入り2024.01.05空と大地の歴史館口付近から撮った目的地で「成田空港 空と大地の歴史館」である。奥の方なので、航空科学博物館に入った人がついでに入ることはないだろう。
 簡単に言えば、成田空港の開港までの反対運動の歴史である。
 外国に行くのではなく、仕事で人を迎えに成田空港に行ったり、家族を見送りに行ったりするだけでも、パスポートや身分証明書を持たなければならなかった頃を知っている人はもう少ないのだろうか。こんな話を聞いても「テロ対策ですか?」くらいにしか思わないだろうか。それほど反対運動は激しかった。そしてそんなに昔のことのようにも思われない。
 成田、と言えば学生の頃は三里塚闘争というイメージだった。学生の運動家たちが実力行使をしていて泥沼に入り込んでいる感じがあった。当時は動画による情報は少なかったから本か何かで知ったのだと思うが、農作業の服装で反対運動に参加しているおばさんが「何でうちの土地を売らなくちゃならないんだ!」と叫んでいる様子を知った時、ヘルメットをかぶった運動家たちが加わっているがもともとは人間が自分の土地で生産活動を行い生活している場所、個人の生き方を力で奪おうとする理不尽さに抗ったという当たり前のことだったのだと思った。
 入場は無料である。お願いすればボランティアの方の説明もある。じっくり見ていくと時間はかなりかかるだろう。予備知識がなければなおさらだ。しかし、若い人たち、三里塚を知らない人には見てもらいたい展示だ。
 ずっと展示を見ていて少し疲れて「朝日のラウンジ」というスペースに入った。椅子が数脚あり本棚もある。その本棚の中に尾瀬あきら氏の『ぼくの村2024.01.16ぼくの村の話の話』というコミックがあった。あって当然かもしれない。このコミックはこの三里塚闘争をテーマにしたものだからだ。実は私はこのコミックを2巻と3巻だけ持っている。何かでこのコミックを知り読みたいと思ったのだが、絶版で古本でも手に入らないのでブックオフのオンラインに登録しておいて( 第241号 ニーチェが京都にやってきて…… の巻 でも触れている)2巻と3巻だけ手に入れていたのだった。画像は引っ張り出した私物である。
 改めてなんとか手に入れて全巻読みたいものだと思った。
 午後の日差しの中、バスを待つ。成田駅に同じようにバスで戻ったが、成田空港まで行って電車を使えば490円で行けただけでなくまた違うものが見られたかもしれない。同じ道を通って帰るのは基本好きじゃないんだ。

   第241号 ニーチェが京都にやってきて…… の巻 
   2023年10月26日