『ホルモー六景』を読んだ。
 そう、先日『鹿男あをによし』を読んで面白かったので、他の作品も読みたくなってこれに出会った。もちろん、この作品は題名からわかるとおり、『鴨川ホルモー』のスピンオフ集だ。
鴨川ホルモー (角川文庫)
万城目 学
角川グループパブリッシング
2009-02-25


 『鴨川ホルモー』は何年か前に読んだ。『鹿男あをによし』と同じように楽しめた。青春時代の何だかわからないけど意地を張ったり、ここじゃないでしょというところで頑張っちゃったりするようなところもあって、こういう理屈通りにいかない人間くささみたいなものを出せるのはうまい。若い世代も楽しめると思うが、吉田神社でレナウン娘を踊るシーンはわかるかなあ。それで、やはりいつもの癖が出て、読んだ後に映画も借りてしまった。
鴨川ホルモー [DVD]
斉藤慶太
ポニーキャニオン
2009-10-07

 オニはCGでかわいく描かれている。自己中心的なかわいこちゃんである京子の役は今は亡き芦名星。当時25歳。うーん、クールすぎるかな。楠木さんは栗山千明。うーん、美人すぎる。オニ語が明瞭すぎてちょっと面白みに欠けるような気がした。高村は濱田岳だが、ちょっとイメージが合わない。
 個人的な感覚の違いだろっ、ケチばかりつけてんなよっ、と言われれば、それはそうなのだが、今回は原作の勝ち。観ても読んでもいない人は何を言っているのかわからないと思うが、ひょっとしたら読みたくなっちゃうかもしれないと思って書いている。読みたくなりましたか?
ホルモー六景 (角川文庫)
万城目 学
KADOKAWA
2010-11-25


 こいつも面白かった。ぜひ、『鴨川ホルモー』を読んでからこちらを手にしてください。若者たちは『ローマの休日』の真実の口のシーンとか知っているのかなあ。『檸檬』はどうだろう。「ケーニヒスベルクの橋の問題」は。登場人物の名前でニヤリとできますか。
 解説で有栖川有栖は「自由自在にホラを吹くためには、たくさんの抽斗を持ち、それを駆使できなくてはならないのだ。」と言っている。その通りだ。そして私はこうも思う。「存分にホラを楽しむには読む側にもたくさんの抽斗が必要なのだ」と。
 ホルモオオオォォォーッ

『ホルモー六景』 万城目学著 角川文庫 ¥552
平成二十二年十一月二十五日 初版発行