前号で『鹿男あをによし』に触れた。
非常に面白かった。荒唐無稽のフィクションではあるが、精緻にくみ上げられていて、とても楽しめる。伏線が何層にも張られていて最後に皆つながってくる。知的エンターティメントだ。途中で読むのをやめられなくなる気持ちに久しぶりになった。
学校に赴任して生徒や教師とドタバタを起こすところは、漱石の『坊ちゃん』をオマージュしているところもある。「天麩羅四杯也」とか「団子二皿七銭」と黒板に書かれるところは、「パンツ三枚千円也」と書かれ、怒ると「三枚で千円は安すぎです。」と生徒の堀田が答える。『坊ちゃん』では「しかし四杯は過ぎるぞな、もし、」と言うところだ。若い諸君よ、有名な作品は若いうちに読んでおくべきなのだよ。こういう作品を読むときに楽しめないよ。
しかし、堀田が山嵐の本名というのは気づけなかった。文庫の解説は児玉清が書いている。今は亡き児玉清が読書家だったのは知っている。だから、解説を依頼されることもあるだろう、と思いながら読んでいると、ドラマでリチャード(教頭のあだ名)の役をやっていたのだ。
こう書いていくと、学園ものと思うかもしれないが、読んでいるときはそんな感じはなかった。私は、ドジでさえない男が何か悪いことをしているわけでもないのだがうまくいかず、どたばたしながら自分のためということもなく正しいと思うことのために一生懸命に奮闘する姿に心が洗われた気持ちだ。読後の清涼感を味わえた。
一生懸命な姿は純粋に胸が熱くなる。
まずキャストが気になる。主人公は玉木宏。DVDにはオーディオコメンタリーが付いていて、第五話、第六話では作者の万城目学が脚本家や監督としゃべっているのだが、「ちょっと男前すぎる」というような感想を言っていた。同感である。しかし、見ているうちにはまってきた。第三話、第四話、第七話では綾瀬はるかと多部未華子と柴本幸がオーディオコメンタリーに出ているが、玉木宏が鹿に見えてきて本番の時に吹き出してしまった、と言っていた。そこがキャスティングの狙いだったのかも知れない。
堀田は誰なのかも気になる。作中では「野性的魚顔」、「目が少し離れている」と書かれている。当時19歳の多部未華子。文庫の表紙の絵が似ている。文庫化はドラマの後なのでそれで似せたか。
原作は藤原君が男性の同僚なのだが、ドラマでは綾瀬はるかが演じる女性教師。最初はこの設定の評価に迷ったが、ドラマを見ているうちに慣れてきた。孤のはの親睦会で酒を飲むシーンは笑えた。
原作を読んでいるときも奈良の町の様子を想像したり、最後の神秘的な場面を自分なりに思い浮かべたりしたが、ドラマの映像も気になった。結構自分の想像したような映像だったように思う。CGも多用しているが、ドラマの作り自体も丁寧だ。
実際奈良の観光客も増えたらしい。
非常に面白かった。荒唐無稽のフィクションではあるが、
学校に赴任して生徒や教師とドタバタを起こすところは、漱石の『坊ちゃん』をオマージュしているところもある。「天麩羅四杯也」とか「団子二皿七銭」と黒板に書かれるところは、「パンツ三枚千円也」と書かれ、怒ると「三枚で千円は安すぎです。」と生徒の堀田が答える。『坊ちゃん』では「しかし四杯は過ぎるぞな、もし、」と言うところだ。若い諸君よ、有名な作品は若いうちに読んでおくべきなのだよ。こういう作品を読むときに楽しめないよ。
しかし、堀田が山嵐の本名というのは気づけなかった。文庫の解説は児玉清が書いている。今は亡き児玉清が読書家だったのは知っている。だから、解説を依頼されることもあるだろう、と思いながら読んでいると、ドラマでリチャード(教頭のあだ名)の役をやっていたのだ。
こう書いていくと、学園ものと思うかもしれないが、読んでいるときはそんな感じはなかった。私は、ドジでさえない男が何か悪いことをしているわけでもないのだがうまくいかず、どたばたしながら自分のためということもなく正しいと思うことのために一生懸命に奮闘する姿に心が洗われた気持ちだ。読後の清涼感を味わえた。
一生懸命な姿は純粋に胸が熱くなる。
またまた、悪い癖が出て映像作品が見たくなった。2008年にドラマでやっていた。10回分でDVD5枚。
まずキャストが気になる。主人公は玉木宏。DVDにはオーディオコメンタリーが付いていて、第五話、
堀田は誰なのかも気になる。作中では「野性的魚顔」、「目が少し離れている」と書かれている。当時19歳の多部未華子。文庫の表紙の絵が似ている。文庫化はドラマの後なのでそれで似せたか。
原作は藤原君が男性の同僚なのだが、ドラマでは綾瀬はるかが演じる女性教師。最初はこの設定の評価に迷ったが、ドラマを見ているうちに慣れてきた。孤のはの親睦会で酒を飲むシーンは笑えた。
原作を読んでいるときも奈良の町の様子を想像したり、最後の神秘的な場面を自分なりに思い浮かべたりしたが、ドラマの映像も気になった。結構自分の想像したような映像だったように思う。CGも多用しているが、ドラマの作り自体も丁寧だ。
実際奈良の観光客も増えたらしい。
普通にドラマを見た後、オーディオコメンタリーに音声を切り替えて見直すから、その倍の時間をかけてしまった。しかもカクテルパーティー効果(カクテルパーティーのように、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる。このように、人間は音を処理して必要な情報だけを再構築していると考えられる)が起きてしまって、オーディオコメンタリーを聞くために見直しているのに、無意識のうちに台詞に聞き入ってしまい、オーディオコメンタリーを聞き逃し、また戻して聞く、なんてことを繰り返して思いのほか時間を使ってしまった。たいしたこと言っていなかったのだけれど。
このDVDのオーディオコメンタリーは山寺宏一の司会でぶっつけ本番的にやっているけれどせっかくならもうちょっと打ち合わせしてやってくれたらもっと面白かったんじゃないかと思った。
原作は面白い。
ドラマはドラマで面白い。
このDVDのオーディオコメンタリーは山寺宏一の司会でぶっつけ本番的にやっているけれどせっかくならもうちょっと打ち合わせしてやってくれたらもっと面白かったんじゃないかと思った。
原作は面白い。
ドラマはドラマで面白い。


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