わけあって卓球に興味がある。
 前号のタイトル、“乒乓球”は中国語で卓球のこと。ピンインは“pīngpāngqiú”。卓球が漢字だから、中国語も卓球だと思っている人もいる。中国の簡体字で書くと、“桌球”となるが、これは香港やシンガポールだとビリヤードのことをいう。中国語で“桌子”はテーブルのことだ。ちなみに大陸では、ビリヤードは“台球”か“撞球”という。“撞(zhuàng)”は日本語でも「撞く」(つく)という動作で使うし、日本語でもキーボードで「どうきゅう」と入力すると「撞球」と出てくる。
 中国語の話はさておいて、卓球をきちんと知りたいと思ったのであるが、あんまりガチガチなのもめげるといけない。で、こういうときは漫画の力を借りよう。
 探してみたが、卓球漫画は意外とない。松本大洋の『ピンポン』くらいだ。もうひとつ見つけたのだが、レビューに「卓球なめんな」の語句があって読まないことにした。


 『ピンポン』全五巻購入。
 一気読み。松本大洋は中国にいたときに友人が送ってくれた『花男』という作品を読んだことがある。独特のタッチ。面白かった。
花男(1) (ビッグコミックス)
松本大洋
小学館
2014-04-02


 バカなこともやっちゃう熱い男と冷めた男の対比とか、ヒーローは理屈を超えて何かをやっちまう、というのは似ているなと思った。『花男』の連鎖開始が91~92年、『ピンポン』は96~97年だ。
 『ピンポン』の方が、登場人物の「抱えているもの」が出ていると思う。
 それでまた悪い癖。
ピンポン
夏木マリ
2013-08-31



 まず、映画作品。。宮藤官九郎の脚本もよくまとまっていて全体として悪くない。これだけ見て十分楽しめるだろう。けれど、私はやっぱり孔文革が話しているのが広東語なのはだめだと思う。中国のナショナルチームに入れなくて上海から来たんだから。せめて上海語だ。コーチとも話すんだから普通話だろう。サム・リーを使っちゃったからだね。足のタトゥーもない方が良かったと思う。小泉先生は竹中直人でなかったとしたら誰がいいかな。竹中さんだとキャラクター強くて、役柄が固定されて見えちゃうように思う。夏木マリのオババも良かったし、ARATAのスマイルも良かった。私があまり好きではない中村獅童の風間も良かった。
ピンポン STANDARD BOX(通常版) [DVD]
内山昂輝
アニプレックス
2014-08-27


 そしてアニメ。"ノイタミナ"でやっていた。原作の作画のタッチもうまく活かしている。テレビ用のアニメ作品は、長く作れるので長い作品でも原作に忠実に作れる。しかし、このアニメは原作にない人間関係を盛り込んでいる。風間に彼女がいること以外は作品にプラスになっていると思う。孔文革のお母さんがやってきて部員を呼んで一緒に料理を作るところなどなかなか中国の人を知っている作りだ。もちろん話しているのは普通話で、卓球の専門用語はよくわからないが、台詞の訳し方も興味深かった。オババの声がいいなと思ったら野沢雅子だ。うまい人は何をやってもうまいんだな。
 というわけで、今回はそれぞれ良かったという結論でいいでしょう。